この講で学習すること
・その他有価証券とは
・その他有価証券の具体例
・その他有価証券の仕訳設例

その他有価証券とは

日商簿記検定2級の出題範囲として学習すべき有価証券は4つのグループがありました。
このうち、これまでに、
1.売買目的有価証券
2.満期保有目的債券
3.子会社株式・関連会社株式
をすでに学習してきました。
そして最後の4つ目として今回学習するのが「その他有価証券」
文字通り、上記の1.~3.以外、どれにもあたらない有価証券ということです。
例えば、どんな有価証券が「その他有価証券」に該当するのでしょうか?

その他有価証券の具体例

日商簿記検定2級を出題する日本商工会議所が例示している「その他有価証券」としては、例えば、
・売買目的ではないが、長期間保有して利殖(株式の配当や債券の利息などによる利回り狙い)をしようという目的で保有している株式や債券
・子会社や関連会社にするつもりではないが、取引先との長期間の円滑な取引関係を維持する(取引先にとっては、出資をしてもらい、安定株主になってもらえる)ために保有する株式
などが考えられます。

その他有価証券の設例

【設例】
(1)当社は、長期利殖目的でユウタイ株式会社の株式100株を@¥800で取得し、買入手数料¥2,000を含めた代金は後日支払うこととした。
(2)当社は、得意先であるトクイ株式会社との取引開始にあたり、同社との長期間の取引関係を維持するため、同社の株式100株を@¥800で購入し、取得にかかる費用¥2,000とともに普通預金口座から支払った。

【合格直結の考え方】
(1)は長期利殖目的、(2)は得意先との取引関係の維持目的、ということで、売買目的有価証券でも満期保有目的債券でも子会社株式・関連会社株式でもありません。
どちらも、その他有価証券です。
その他有価証券に限った論点ではありませんが、取得に付随する費用の扱いも問われています。

【仕訳】
(1)
(借)その他有価証券 82,000
/(貸)未  払  金 82,000
(2)
(借)その他有価証券 82,000
/(貸)普 通 預 金 82,000

その他有価証券のまとめ
・その他有価証券とは、売買目的有価証券でもなく、満期保有目的債券でもなく、子会社株式・関連会社株式でもない有価証券
・その他有価証券の具体例としては、長期利殖目的の株式や債券、取引先との長期間にわたる円滑な関係維持のために保有する株式などがある

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