この講で学習すること
・銀行勘定調整表の基本フォーマット(再掲)
・応用フォーマット1~企業残高基準法の攻略法
・応用フォーマット2~銀行残高基準法の攻略法
銀行勘定調整表の基本フォーマット(再掲)
日商簿記2級で出題される銀行勘定調整表には3種類あります。
うち、1種類は前講で学習した、左半分が当座預金勘定(帳簿)の修正項目、右半分が銀行残高の修正項目を記入するタイプのフォーマットで、これが基本になります。
ところで、日商簿記2級の出題傾向を見ますと、次のタイプの「応用」フォーマットを記入させる出題が多く見受けられます。
応用フォーマット1
応用フォーマット2
これらのタイプは、どう埋めていけばいいのでしょうか?
応用フォーマット1~企業残高基準法の攻略法
応用フォーマット1では、当社の当座預金勘定(帳簿)残高の数字からスタートして、差異要因を加算・減算して、銀行残高(ゴール)の数字になるようにする様式です。
前講で用いた設例の差異要因を当てはめると、次のようになります。
【設例】当社当座預金勘定残高と銀行残高証明書残高との差異要因
(1)¥1,000の買掛金支払いのために小切手を振り出した際、誤って¥10,000と記帳していた。
(2)¥2,000の外注費支払いのために小切手を振り出した際、誤って¥200と記帳していた。
(3)¥3,000の手形代金の当座預金口座への振込みがあったが当社に未通知であった。
(4)¥4,000の水道料金の引落しが当座預金口座からあったが当社に未通知であった。
(5)¥5,000の未払金の支払いのために振り出した小切手が未渡しのまま手元にあった。
(6)¥6,000の小切手を仕入先に振り出したが、未だ銀行に呈示されていない。
(7)¥7,000を銀行の夜間金庫に預け入れたが、銀行では翌日の当座預金入金として処理された。
差異要因のうち(1)(3)(5)は、基本フォーマットと同じ加算項目、(2)(4)も基本フォーマットと同じ減算項目ですが、(6)(7)が、加算・減算が逆になっています。
どうしてでしょうか?
これは、基本フォーマットを次の図のような矢印の流れで考えればわかります。
つまり、当座預金勘定残高の¥38,800からスタートして、当社の修正要因側は基本フォーマットと同様に加算・減算し、一旦正しい残高である¥50,000まで到達します。次のその正解である¥50,000から、今度は銀行修正側は、下から上に向かいますので、+-符号を逆にして加減してやると、銀行残高である¥49,000に到達します。
応用フォーマット2~銀行残高基準法の攻略法
それではもう一方の応用フォーマット2、つまり銀行残高からスタートして当社の当座預金勘定(帳簿)残高に合わせるフォーマットはどうか?
もうお分かりですね。
先ほどの応用フォーマット1と、+-符号が真逆になるわけです。
つまり、基本フォーマットでの矢印の流れが、銀行残高をスタートし正解である¥50,000に到達したら、当座預金側は下から上に、+-符号を逆にして当座預金残高¥38,800にするわけです。