この講で学習すること
・連結会社間の固定資産売買のよる損益の相殺消去
・簿価<売却価格(売却益)の場合
・簿価>売却価格(売却損)の場合
連結会計でやること
1.開始仕訳(過年度分の連結修正仕訳の復元)
2.当該年度の連結修正仕訳
(1)のれんの償却
(2)子会社の当期純利益
(3)子会社の配当
(4)その他親子会社間取引の相殺消去
のうち、この講では(4)その他親子会社間取引の相殺消去について学習します。
連結会社間の固定資産売買のよる損益の相殺消去
前講で学習しました未実現利益の一種ですが、商品の売買ばかりでなく、親会社から子会社へ固定資産を売却する際に、簿価との差額で固定資産売却損益が発生している場合があります。
ここで発生する損益についても、未実現損益として相殺消去の対象となります。
簿価<売却価額(売却益)の場合
【設例1】
P社は、当期中に、子会社であるS社に土地(帳簿価額¥10,000)を¥12,000で売却した。
当期末の連結修正仕訳をしなさい。
【P社・S社それぞれの土地売却(購入)時の仕訳】
P社
(借)現 金 預 金 12,000
/(貸)土 地 10,000
/(貸)固定資産売却益 2,000
S社
(借)土 地 12,000
/(貸)現金預金 12,000
【連結修正仕訳】
(借)固定資産売却益 2,000
/(貸)土 地 2,000
【合格直結の考え方】
連結修正仕訳では、P社の計上した固定資産売却益¥2,000を借方で取り消し、S社の土地の資産計上額から¥2,000を貸方で減額し、もともとの簿価に戻す仕訳になっています。
簿価>売却価額(売却損)の場合
【設例1】
P社は、当期中に、子会社であるS社に土地(帳簿価額¥10,000)を¥8,000で売却した。
当期末の連結修正仕訳をしなさい。
【P社・S社それぞれの土地売却(購入)時の仕訳】
P社
(借)現 金 預 金 8,000
(借)固定資産売却損 2,000
/(貸)土 地 10,000
S社
(借)土 地 8,000
/(貸)現金預金 8,000
【連結修正仕訳】
(借)土 地 2,000
/(貸)固定資産売却損 2,000
【合格直結の考え方】
連結修正仕訳では、P社の計上した固定資産売却損¥2,000を貸方で取り消し、S社の土地の資産計上額に¥2,000を借方で増額し、もともとの簿価に戻す仕訳になっています。