この講で学習すること
・カタチがないのに固定資産?
・日商簿記2級で出題される無形固定資産3種
・「のれん」とは何か(概要)

日商簿記2級の無形固定資産3種

固定資産は、建物や備品、機械装置などのように、カタチあるもの(有形固定資産)だけではありません。
例えば、今やどんな事業でもなくてはならないコンピュータですが、このコンピュータを目的に合わせて作動させるソフトウェアなど、カタチはなくとも、やはり1年以上にわたって事業に効果をもたらす資産があります。
無形固定資産といいます。
日商簿記検定2級で出題される無形固定資産は、大きく分けて次の3グループになります。

【日商簿記2級出題範囲の無形固定資産】
1.ソフトウェア
2.のれん
3.権利(特許権・商標権・鉱業権など)

ソフトウェア

CD-ROMやUSBメモリなど、一見カタチがあるようにも思えますが、それはあくまで格納媒体。ソフトウェア
肝心なソフトウェアそのものは、その中に格納されているプログラムやデータです。
(目に見えるパッケージ版とは違い、ダウンロード版などはモロに「無形」ですね)
このうち、日商簿記2級で出題範囲として学習しなければならないのは、
自社で事業のために使用するためのソフトです。
そのためなら、購入したものでも、自作したものでも同じです。
逆に、他に販売するためであったり、客先から依頼されて受注制作しているソフトは、取り扱い(会計処理)が異なり、日商簿記2級では出題されません。

のれん

のれんはじめて学習される方は「のれん」と聞いて、何のことやらさっぱりわからないかもしれませんね。
「何が無形固定資産なんだ?」
「のれん」は、この後合併や連結というテーマを学習しないとわからないのですが、今ここで一言でいうと、

他の企業(事業)を買収した際の、買収金額と対象企業(事業)の純資産総額(総資産-総負債)との差額

どういうことか説明を加えますと、本来買収金額と買収先の純資産総額が同じであるはずですが、買収先の企業(事業)のブランド力や今後の収益力を高く評価し、純資産総額よりも高い金額で買収することがあります。
なぜ、高く買うのか?
ぶっちゃけて言えば「ブランド力」
これを無理やり日本語で表現したものが「のれん」
れっきとした勘定科目名です。
当然ですが、合併や買収をしていなければ、発生しない科目です。

権利

今ご紹介した「のれん」も一種の権利(ブランド力を行使する権利・営業権)といえますが、そのほかにももっと権利らしい権利があります。例えば
・特許権
・商標権
・実用新案権
・漁業権
・鉱業権
などなど、たくさんあります。
もちろん、暗記の必要はありません。

無形固定資産のまとめ
・日商簿記2級で出題される無形固定資産は次の3種類
1.ソフトウェア(自社利用目的のもの)
2.のれん
3.その他権利(特許権・鉱業権など)

→次は、無形固定資産の減価償却について学習します。
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