この講で学習すること
・子会社が配当を出すと?
・配当金を出すときの仕訳~期中(個別)
・「自分から自分への配当」の消去
・非支配株主が受け取った配当金は?
・過年度分の子会社配当の開始仕訳の場合は?

連結会計でやること
1.開始仕訳(過年度分の連結修正仕訳の復元)
2.当該年度の連結修正仕訳
(1)のれんの償却
(2)子会社の当期純利益
(3)子会社の配当
(4)その他親子会社間取引の相殺消去
のうち、前講までで2.(2)まで学習しています。

この講では(3)子会社の配当について学習します。

子会社が配当を出すと?

配当金は株主に対して出されます。
子会社は、株主である親会社と非支配株主に対して配当金を出します。
このうち、親会社に出す配当金は、連結会計で一つの会社と見なせば「自分から自分への配当」になります。
連結修正仕訳の対象ですね。

配当金を出すときの仕訳~期中(個別)

まず復習になりますが、期末決算時に確定した当期純利益が繰越利益剰余金として次期に繰り越され、株主総会でその中から株主への配当について決定されます。
このときの仕訳は覚えていますか?
例えば、¥10,000の配当金を決定したのであれば・・・

【株主総会時】
(借)繰越利益剰余金 10,000
/(貸)未払配当金  10,000

【配当金支払時】
(借)未払配当金 10,000
/(貸)現金預金 10,000

でしたね。
この仕訳は、親会社でも子会社でも、期中の仕訳として勘定科目に反映されます。
(復習)▶▶▶「剰余金の配当と処分」へ

これが連結会計ではどうなるか?

「自分から自分への配当」の消去

上記のように期中に個別会計で処理された子会社からの配当金のうち、親会社に支払われた分について連結修正する必要があるわけですが、連結修正仕訳は、個別財務諸表から連結財務諸表を作るための仕訳です。

期中仕訳における「繰越利益剰余金」は、純資産の科目なので、株主資本等変動計算書(S/S)の項目名で連結修正仕訳します。
子会社S/S(配当金)

 

 

 

 

 

繰越利益剰余金(の変動)は、S/S上は「利益剰余金当期変動額」なのですが、さらに内訳項目としての「剰余金の配当」(または「配当金」)という項目に整理されます。

という意味合いで、連結修正仕訳上も「剰余金の配当」(または「配当金」)という科目名で仕訳をするのが一般的です。

というわけで、子会社側で配当時に借方で減らした利益剰余金(配当金)を、連結修正仕訳で貸方に仕訳してあげればいいことになります。
もし親会社の出資比率が80%であれば、配当総額¥10,000×80%で

(借)??? 8,000
/(貸)剰余金の配当(または配当金) 8,000

と仕訳されます。

では借方はどうなるか?

子会社からの配当金をもらった親会社側では「受取配当金」という収益を貸方に計上しているはずです。
これを借方で逆仕訳してあげれば「自分から自分への配当」の消去が完成です。

(借)受取配当金 8,000
/(貸)剰余金の配当(または配当金) 8,000

非支配株主が受け取った配当金は?

以上の連結修正仕訳で、子会社から親会社への配当分については、相殺消去が完了しました。
では、残りの20%分はこのままでいいのか?

期中(子会社個別)で¥10,000減らした子会社の利益剰余金のうち、親会社への配当分80%(=¥8,000)分については連結修正しましたが、残り¥2,000分は、依然として利益剰余金が減った状態のままです。

ここで思い出していただきたいのが、連結財務諸表は、親子会社を1つの会社のように合体させるだけでなく、それを親会社(の株主)の立場で表示するということがありました。

すると、残りの20%分について、このままでは、
「親会社の純資産(持分)である利益剰余金から、非支配株主に配当が支払われた」
という意味になります。

すでに支配獲得時において、投資と資本の相殺消去仕訳(資本連結)の際に、非支配株主の分の純資産については、「非支配株主持分」という科目に分けてありますので、非支配株主に対する配当金は、非支配株主持分から使ったことにします。

そこで、非支配株主への配当分についても、

(借)非支配株主持分当期変動額 2,000
/(貸)剰余金の配当(または配当金) 2,000

という仕訳をします。

以上から、子会社から配当金が出された場合は、親会社分の相殺消去仕訳と非支配株主分の振替仕訳を合体して、

(借)受取配当金 8,000
(借)非支配株主持分当期変動額 2,000
/(貸)剰余金の配当(または配当金) 10,000

という連結修正仕訳をすることになります。

過年度分の子会社配当の開始仕訳の場合は?

上記の例について、仮に、過年度に行われた子会社からの配当であり、次年度以降に開始仕訳として行う場合は、

(借)利益剰余金当期首残高 8,000
(借)非支配株主持分当期首残高 2,000
/(貸)利益剰余金当期首残高 10,000

(1)受取配当金→利益剰余金当期首残高について

親会社の受取配当金は収益なので、損益振替を経て、当期純利益(または純損益)として資本振替の上、次年度には利益剰余金として繰り越されています。
ですから、次年度になってから過年度の連結修正仕訳するには、利益剰余金の当期首残高に化けます。

(2)非支配株主持分当期変動額→非支配株主持分当期首残高について

これも純資産項目なので、過年度分の修正は「当期首残高」を変動させることになります。

(3)剰余金の配当(または配当金)→利益剰余金当期首残高について

配当金は利益剰余金のマイナスという意味の内訳項目だったわけですが、この「剰余金の配当」(または「配当金」)を使うのは、当期変動額の場合であって、過年度分については内訳項目はなく、「利益剰余金当期首残高」にまとめられます。

子会社の配当のまとめ
・当期に行われた子会社の配当の連結修正仕訳は、
(借)受取配当金 XXX(←配当総額×親会社出資比率)
(借)非支配株主持分当期変動額 XXX(←配当総額×非支配株主出資比率)
/(貸)剰余金の配当(または配当金) XXX(←配当総額)
・前期以前に行われた子会社の配当の連結修正仕訳(開始仕訳)は、
(借)利益剰余金当期首残高 XXX(←配当総額×親会社出資比率)
(借)非支配株主持分当期首残高 XXX(←配当総額×非支配株主出資比率)
/(貸)利益剰余金当期首残高 XXX(←配当総額)

▶▶▶次講「連結会社間取引の相殺消去(1)会社間売上」へ

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