この講で学習すること
・端数利息とは
・裸相場とは
・債券購入時の端数利息の処理方法

端数利息とは?

【設例】
X1年4月30日に満期保有目的でA社社債(額面総額¥100,000、満期日X2年12月31日、利率年1.2%、利払日6月末及び12月末)を、証券会社を通じて、額面@¥100につき@¥98の裸相場で買い入れ、代金は端数利息とともに現金で支払った。
ただし、端数利息の計算は購入日当日を含め、月割計算とする。
なお、当社の会計期間は4/1~3/31である。

前講の「償却原価法」のときと同じような設例ですが、今回は、決算整理仕訳ではなく、購入日の仕訳を求めます。
購入日だけならカンタン!と思いきや、
「代金は端数利息とともに」
「端数利息の計算は購入日当日を含め、月割計算」
と、何やら、めんどくさそうな雰囲気。
それでは今回登場した「端数利息」とは何なのか?
「利息」というと、利払日は6月末と12月末ですから、直近の次の利払い日は6/30です。
その日には、6か月分の利息が、社債発行元であるA社からもらえます。
なんか、トクした気がしませんか?
だって、4/30に買い入れて、5月6月と、実質2か月しか保有していないのに、まるまる6か月分の利息がもらえるんですよ!
逆に、このA社社債を4/30に売却した、もとの持ち主からしてみれば、前回の利払い日(12/31)から4か月間も保有していたのに、1円も利息がもらえない。
これではソンした気になる!
この売却時までの利息分のことを「端数利息」といいます。

裸相場とは?

そこで、4か月分の利息分を売却代金に上乗せして売ればいいんですが、「裸相場」というのは、この端数利息を含んでいない売却価格という意味です。
なので、この端数利息分はきちんと4か月分計算して、「裸相場」つまり正味の売却代金に、端数利息分を上乗せして、売買する、というのが、本設例の趣旨です。

端数利息の計算方法

本設例では、月割計算で、売買日である4/30含むという条件なので、このA社社債の前の持ち主に帰属する端数利息は、1月~4月のまるまる4か月分ということになります。
ですから、
端数利息=額面100,000円×年利率1.2%×4か月/12か月=400円
と算出されます。
これを、裸相場つまり正味の売却金額に上乗せして購入します。

債券を購入する場合の端数利息の仕訳方法

ここで、仕訳の貸方に計上する代金は、正味の金額¥98,000と、端数利息分¥400の合計で¥98,400とわかるのですが、借方はどうなるでしょうか?
借方のうち、「満期保有目的債券」勘定は、端数利息を含まない正味の¥98,000です。
では、端数利息分¥400の借方科目は?
この場合も、有価証券利息になります。

【仕訳】
(借)満期保有目的債券 98,000
(借)有価証券利息     400
/(貸)現      金 98,400

借方が「有価証券利息」になるわけ

「有価証券利息」というと、利払日にもらう、受け取る利息というパターンがこれまででしたが、この「有価証券利息」が借方に来るとは、どういう意味なんでしょうか?
ここで、前講「償却原価法」の講でも仕訳したとおり、当期の利息を振り返ります。

【利息の仕訳】
X1.6.30(利払日)
(借)現金・預金 600
/(貸)有価証券利息 600
X1.12.31(利払日)
(借)現金・預金 600
/(貸)有価証券利息 600
X2.3.31(決算日)
(借)未収利息 300
/(貸)有価証券利息 300

というわけで、貸方に収益として計上する有価証券利息は、決算整理時の見越し分(未収利息)も含めると、合計で¥1,500つまり15か月分になっています。
多すぎですよね。
そこで、4/30の購入時に、社債の前の持ち主に支払う端数利息4か月分の有価証券利息を借方に計上しておくことで、
15か月分-4か月分=11か月分
つまり、当期に当社がA社社債を保有する5月~翌3月の正味11か月分に対応する、というわけです。
端数利息(債券購入時)
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