この講で学習すること
・売上割戻とは?(復習)
・売上割戻が、次期に生じたら?
・商品(製品)保証引当金の繰り入れ
・商品(製品)保証引当金繰入のP/L表記

売上割戻とは?(復習)

売上割戻とは、ある得意先に対する売上が所定のボリューム以上になった場合に、後から返金することで販売価格を下げたことと同じ効果をもたらすものです。
難しい話はともかく、返金をするわけですから、値引や返品(戻り)と同じように、売上と売掛金を減らす仕訳でした。

【設例1】
当社と売上割戻契約を締結している得意先A社に対する当期の売上高が所定の金額を超えたので、¥15,000分売上割戻を実行し、売掛金を減額した。

【仕訳】
(借)売 上 15,000
/(貸)売掛金 15,000
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売上割戻が、次期に生じたら?

では、【設例1】の売上割戻について、前期の売上分に対する売上割戻を、次期に実行したら?
つまり、会計期間をまたいで、前の期の売上に対応する売上割戻が、次の期に発生したら?

期をまたぐ貸倒損失の場合のように、収益をP/Lにカウントする期と、売上割戻によってP/L上の収益をマイナスする期がずれてしまうわけです。

そこで、貸倒れの場合のように、売り上げが発生した期(の期末決算時)に、見込みで引当金を繰り入れておき、次期以降に実際に売上割戻が発生した際に、引当金から引き当てることができます。

売上割戻に関する引当金なので、売上割戻引当金といいます。

この売上割戻引当金は、貸倒引当金のように資産から控除する形で計上するのではなく、負債の部に計上します。

売上割戻引当金の繰り入れ

【設例2】
X9年3月31日、本日決算日につき、当期売上高¥1,000,000の1%を見積もり、売上割戻引当金を設定した。

【仕訳】
(借)売上割戻引当金繰入 10,000
/(貸)売上割戻引当金  10,000

【設例3】
当社と売上割戻契約を締結している得意先A社に対する前期の売上高が所定の金額を超えたので、¥15,000分売上割戻を実行し、売掛金を減額した。なお、売上割戻引当金勘定の残高は¥10,000であった。

【仕訳】
(借)売上割戻引当金 10,000
(借)売     上  5,000
/(貸)売  掛  金 15,000

売上割戻引当金繰入のP/L表記

決算整理として計上された売上割戻引当金繰入勘定は、損益計算書上、どの費用グループに表記されるのか?
答えは、売上原価でも販管費でもなく、売上高から控除です。
これは、売上割戻が、売上高の減少(反対仕訳)であることから、わかりますね。
売上割戻引当金繰入のPL表記

売上割戻引当金のまとめ
・前期以前の売上に関する売上割戻に対して引き当てる引当金を売上割戻引当金という
・売上割戻引当金は、当該売上のあった期の期末(決算時)に計上する
・売上割戻引当金繰入勘定は、P/L上、売上高から控除する形で計上する