この講で学習すること
1.手形の更改とは
2.手形の更改の仕訳方法
3.手形の更改に関する本試験レベル問題

手形の更改とは

前項で学習しました「不渡り」というのは、それを起こすと大変な信用問題になります。
2回不渡りを出すと、金融機関から取引停止となり、事実上の倒産とも言えます。
たとえ1回の不渡りでも、金融機関に知れ渡り、取引の信用がガタ落ちし、信用取引は難しくなります。

「手形の満期日までに払えない!けど不渡りは出したくない!」

という場合に、相手先(手形代金の受取人)の承諾を得た上で、満期を延長した新たな手形を振り出すことで、満期を先延ばしする手段があります。

これを、「手形の更改」といいます。

具体的には、満期日の到来してしまう手形(旧手形)を破棄し、満期日を延長した手形(新手形)を新たに振り出します。

手形の更改の仕訳方法

更改をするとなると、当然旧手形のてん末は更改のため破棄となり、新たな満期日の手形を振り出すわけですから、手形記入帳(代金支払人側は支払手形記入帳、代金受取人側は受取手形記入帳)にその旨を記録するのは当たり前ですね。

ところで、仕訳はどうなるのでしょうか?

例えば、自社が振り出した約束手形¥100,000について、満期日を延長した新たな手形に更改した場合は、
(借)支払手形 100,000
/(貸)支払手形 100,000
となります。
「借方と貸方が勘定科目・金額とも同じなんだから、仕訳不要じゃないの?」
と思われるかもしれません。

しかし、簿記の学習上は借方/貸方の勘定科目・金額だけですが、実務上は摘要に手形の更改の旨の記録を残さないわけにはいきませんので、いくら勘定科目と金額が貸借同じだといっても、仕訳は必要になります。

なお、日商簿記検定本試験では、借方・貸方が同額にならないよう、利息を絡めた設例で出題されます。

手形の更改に関する本試験レベル問題

【設例】
来週に満期日を迎える約束手形¥100,000について、手形の振出人から手形の更改(満期日を2か月延長)の申し出があり、これを承諾し旧手形を破棄し、延長2か月分の利息¥2,000を含めた新たな約束手形を受け取った。
【仕訳】
(借)受取手形 102,000
/(貸)受取手形 100,000
/(貸)受取利息  2,000

差額だけを取る
(借)受取手形 2,000
/(貸)受取利息 2,000
という仕訳はやめましょう。

手形の更改のまとめ
・手形の更改とは、旧手形を破棄し、満期日を延長した新たな手形を切り直すこと
・支払人側の仕訳は
支払手形XXX/支払手形XXX
受取人側の仕訳は
受取手形XXX/受取手形XXX
で借方=貸方になる場合でも、更改のアトを残すために仕訳をする

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