この講で学習すること
・このままだと2重に税金を納めることに
・こんなところでも「仮払法人税等」

このままだと2重に税金を納めることに

【設例】
当社の保有する第百銀行の普通預金口座に半年分の普通預金利息¥240(源泉徴収税20%控除後)がつき、そのまま普通預金に繰り入れた。

どんな事業体でも、事業用の普通預金口座は大抵もっているはずです。
すると、どんなに微々たる額でも半年に1回、利息がついてきます。
1円でも利息がついて、通帳に記載されれば、普通預金勘定に仕訳をしなければなりません。
では、どう仕訳をするか?

【仕訳】
(借)普通預金 240
/(貸)受取利息 240

・・・「これで、何か問題ありますか?」
って思いますよね。

「受取利息」勘定は、いわずと知れた収益のグループに属する勘定科目です。
いずれば損益計算書に集計され、税引前当期純利益に含まれ、法人税、住民税及び事業税(法人税等)が課税されることになります。
仮に実効税率が30%だとしたら、この受取利息¥240に30%分=¥72分の法人税等を納めることになります。

ところで!

この¥240って、すでに銀行側で20%分を源泉徴収されて、天引き後の額じゃありませんでしたか?

20%天引き後ってことは、源泉徴収前は、本当は¥300の利息だったわけですね。

で、改めて振り返りますと、

¥300(もともとの利息)
-¥60(源泉徴収税額)
-¥72(法人税等)

で、つごう、132円も税金にとられることになります。

つまり、すでに源泉徴収され天引きされた手取り額から、さらに法人税等をとられていることになります。
2重に課税されることになります。

ではどうするか?

こんなところでも「仮払法人税等」

銀行側で自動的に天引きされた源泉徴収額分を、あたかも中間納付みたいに、「仮払い」ととらえるわけです。
つまり「仮払法人税等」勘定を使います。
では、そもそも普通預金利息がついて通帳に記帳されていた時点で、この「仮払法人税等」勘定を使って、どう仕訳をすればいいと思いますか?

【仕訳】
(借)普通預金  240
(借)仮払法人税等 60
/(貸)受取利息  300

つまり、源泉徴収天引き前の利息ベースに直し、源泉徴収分を「仮払法人税等」にしておくわけです。

こう仕訳しておくことで、本決算で受取利息に法人税等を計算する際には、

【仕訳】
(借)法人税、住民税及び事業税 90
/(貸)仮払法人税等 60
/(貸)未払法人税等 30

で、結局¥300の受取利息(収益)に対し、実効税率30%分を法人税等に計上し、仮払いしてある源泉徴収分を差し引いた残額を、これから納付する、というわけです。

実際の日商簿記検定2級で出題されてますよ。

普通預金利息の処理方法のまとめ
・源泉徴収前の利息ベースを「受取利息」に計上する
・源泉徴収分は「仮払い」扱いとする
・本決算、確定申告時には、仮払い分を差し引いて精算する